2章 基本技術



2.1 LAN技術の標準化とプロトコル

(1) 国際的な標準化組織

 LANは、異なるメーカーや機能を持つ端末や機器と相互接続できるように、 国際的標準や、基準を設定し開発を行っています。 現在、LANの標準化はLANの方式ごとに3つの組織で行われています。

 IEEE802委員会と呼ばれる所では、802.1から802.14までの 13のワーキンググループ(802.13は欠番)にわかれ、 イーサネットやトークンリングなどを標準化しています。 FDDI関連の標準化については、ANSI X3という組織の技術グループ、 X3Tで行われています。さらにATM−LANについては、 正式な標準化機構ではありませんが、1990年からATM Forumで 標準化が議論されています。

IEEE802委員会のワークグループ
802.1HILI:高位層インターフェイス
802.2LLC:論理リンク制御
802.3CSMA/CD
802.4トークン・バス
802.5トークン・リング
802.6MAN:都市規模ネットワーク
802.7BBTAG:ブロードバンド技術支援グループ
802.8FOTAG:光ファイバ技術支援グループ
802.9ISLAN:サービス統合型LAN
802.10セキュリティ
802.11無線LAN
802.12デマンド・プライオリティ
802.14CATVプロトコル


(2) OSI参照モデル

 OSI参照モデルとは、異機種コンピュータシステム間の相互接続・相互運用を 実現するために、システムがどのような通信機能を具備するべきか、 またそれらの機能をどのように配置すべきかを明らかにした論理・抽象モデルです。

 具体的には、開放型システムが持つべき通信機能を七つの層に分け階層的に規定しています。 各階層の機能と役割は下の通りです。


アプリケーション業務実現のための各階層の役割

(3) TCP/IP

TCP/IP(Transmission ControlProtocool /Internet Protocol)
とは、7階層の国際標準であるOSI参照モデルに対し、4階層の業界標準として現在広く普及しているプロトコル であり、インターネットの普及でも知られているとおり、現在のLANに欠かせない技術となっています。 OSIとTCP/IPの関係を図で示すと以下のようになります。