LANの通信路に乗り込むための方法、すなわち誰がLANを使うかを決める三つの方法を
紹介します。
(1) CSMA/CD方式
CSMA/CD方式は、Carrier Sense Multiple Access with Collision Detectionの略ですが、
日本語では「搬送波感知多重アクセス/衝突検出方式」と訳されています。この方式では、
通信したいデータがある時、ネットワークが通信可能かどうか確認することから始まります。
同時に通信を始めた端末が無ければそのまま送信します。しかし別に送信を始めた端末があれば、
衝突することになります。衝突を検知すると、それぞれ一定時間待って再送信します。
例としてCSMA/CD方式LANである10BASE5のデータ送信の原理を示します。
(2) トークンパッシング方式
トークンパッシング方式では、「トークン」と呼ばれる小さなパケットが、ネットワーク上を
巡回します。トークンにはフリーとビジーの2つの状態があり、それぞれフリートークン、
ビジートークンと呼びます。送信時はフリートークンを掴み、それをビジートークンに変え、
その後に送受信アドレスや送信すべきデータを付加して送出することになります。
一方ビジートークンを受信した端末は受信アドレスを調べ、それが自分宛の場合は、
データを受領します。
トークンパッシング方式には、実現例としてバス型に適用したトークンバス、
リング型に適用したトークンリング、FDDI等があります。例としてトークンリング方式
でのデータ伝送の原理を示します。
(3) TDMA方式
TDMA(Time Division Multiple Access:時分割多重通信)方式は、時間を細かく分け、
細かく分けた単位に、誰と誰とが使うか、対応づけて通信する方式です。
PBX等の音声交換機等に使われる方式ですが、データ通信が中心のLANにはあまり利用され
ていません。