(1) Ethernet
Ethernetとは、米Xerox社により1973年に発明され「Ethernet」と名付けられ
今日最も代表的なLANとして使用されています。開発当初は3Mbpsの伝送速度でしたが、
現在は10Mbps、更には100Mbpsの伝送速度もサポートしています。
Ethernetと802.3(CSMA/CD)はLANベンダの製品の中で、両方をサポートしている
ことが多いため、同義語として扱われていることがあります。
(2) FDDI
FDDIとは、Fiber Distributed Data Interface(光ファイバ分散データ・インタフェース)
の略称であり、光ファイバケーブルを伝送媒体とした、100Mbpsのデータ伝送が可能な
LAN方式です。伝送媒体が光ファイバということで、信頼性が高く、伝送距離も長く(100km)なり、
幹線部分のLANに広く利用されています。
FDDIの伝送方式はリング型のトークンパッシング方式が使用されていますが、
二重リング構成をとることにより、この方式の一部の故障がネットワーク全体に影響を及ぼしやすい
という欠点に対処しています。
FDDI概念図
コンセントレータ
(3) ATM
電話網などに使用されている回線交換方式と、データ通信網などに使用されているパケット交換方式のそれぞれ
の特長を備えた新しい交換方式としてATM(Asynchronous Transfer Mode)が注目されていますが、
LANの世界でもATMの技術が注目されています。
パケットとATMセル
ATM交換の原理
ATM−LANと既存のLANの相違点としては、以下の点があげられます。
- ATM−LANは伝送速度が可変であるため、柔軟なネットワークを構成できる。さらに、
ギガビットクラスの超高速ネットワークを容易に実現できます。
- ATMスイッチという交換機能を備えているため、ネットワークの構成を自在に変えること
ができ、バーチャルLANも構成できます。また、LANエミュレーション機能によって、既
存のLANとの接続性も保証されています。
- 回線交換に近いデータの連続伝送が行えるため、マルチメディア通信に適しています。
- B−ISDNのサービスに整合性よく接続できシームレスなネットワーク環境を実現できます。
ATM-Switch
Catalyst5000
(4) 無線
LANは通常、光ファイバや同軸ケーブル、ツイストペアケーブルなどの有線で構成されるため、
オフィスのOA機器をネットワーク化する上で、机の裏や床下あるいは壁や天井に配線を巡らせる
必要があります。このためオフィスにケーブルが溢れる結果となってしまいます。
このような背景からワイヤレス化を実現したいという要望が高まっています。
ワイヤレス化のメリットは以下の点です。
- コンピュータに配線が必要無いため、配線工事が大幅に簡略化できます。
- オフィスレイアウトの移動時にも対応が簡単です。
- ノートパソコンから自由にLANにアクセスできます。
無線LAN概念図
主な無線LANの方式を紹介します。
- 赤外線方式
赤外線を利用するため電波法の規制を受けない、しかし送信側と受信側の間に障害物がある
と通信が遮断します。
- スペクトラム拡散方式
主に2.4GHz帯を使用した方式です。伝送速度が最大2Mbpsと遅いが、無線局免許が不要です。
- マイクロ波方式
19Ghz帯を使用。10Mbpsまで伝送可能、しかし無線局免許が必要です。
赤外線LAN概念図