4章 パソコンLAN




4.1 パソコンLANのOS
(1) ネットワークOSとは

 ネットワークOSとは、ネットワークを構築するときに基本となるオペレーティングシステムです。 LANは、10Mbps〜100Mbpsの伝送速度ですから、広域網と比べてはるかに高速です。 このため、ネットワークとしての規模と使い勝手の幅が広がります。例えば、もともとパソコン に備わっている機能を拡張して、ネットワーク上で使うことが可能ですし、 サーバに置いてあるアプリケーションの共有もできます。



 ネットワークOSの主な目的としては、次のような点をあげることができます。

 以下に代表的なネットワークOSである、WindowsNT、95とNetWare について紹介します。

■WindowsNT、95(マイクロソフト)

 マイクロソフトのネットワークOSは、MS−Networks、LAN Manager と進化してきましたが、1994年にはLAN Managerの機能とWindowsの 機能を包含するOSとしてWindowsNTを発表しました。
 WindowsNTはネットワーク機能を包含した32ビットOSです。またサーバ用のNT Serverとクライアント用のNTWorkstationの2種類があります。
 特長は以下の通りです。

 また、1995年の11月にWindows95が発売されました。これは従来のWindows3.1 と比べて、グラフィカル・ユーザ・インターフェイスに優れ、またネットワーク環境に容易に対応できる 様になっています。

その後暫くの間 Windows NT とWindows 9x という2つのOSが同時進行することととなつた。もちろんすべてのOSをNTで統一すると
いう夢をマイクロソフトが捨てたわけではない。実はその最後の望みをつなぐのが Windows 2000 なのである。


■NetWare(ノベル社)

 ノベルのNetWareは、当初よりNOSの機能を多く取り込み、 ネットワークOSの代名詞のような位置づけとなっています。最初の日本語版は1991年 に発表され、現在は中規模ネットワーク向けのNetWare3.12Jと大規模ネットワーク向け のNetWare4.1Jが出ています。
 特長は以下の通りです。

(2) クライアント−サーバ型

 LANの台頭とともに分散型システムが誕生しています。この分散型システムは、 LAN上にサーバと呼ばれるサービスを行うコンピュータと、クライアントと呼ばれる仕事を 進めるコンピュータを置き、この二者が協力して仕事を行うシステムです。
 サーバの用途には以下のようなものがあります。


(3) ピア・ツー・ピア型

 ピア・ツー・ピア型のネットワークでは、1台のパソコンがクライアントとサーバの両方の働きをします。 これは、どのパソコンも他人のパソコンを利用しながら、他人のパソコンにも、自分のパソコンのデータを サービスすることができるというシステムです。
 この方式では、ディスクやプリンタを共有するために、特別の一台のパソコンをサーバ専用にする必要がありません。
 しかし一台のパソコンに多数のユーザからアクセスされますと、パソコンが処理しきれなくなり、極端に仕事の能率が 悪くなります。従って、ピア・ツー・ピア型ネットワークは大規模LANには不向きといえます。



クライアント−サーバ型とピア・ツー・ピア型の比較

クライアント−サーバ型ピア・ツー・ピア型
サーバ専用パソコン必要不要
インストレーションやや難しい容易
運用管理者は大変容易
アクセス速度速い遅い
接続可能パソコン数中/大小(10台程度)
価格
システムの拡張性
セキュリティ